街を歩く

渋谷の焼き鳥屋の前で考えたこと

渋谷の京王線の一帯が再開発され、随分と綺麗な場所に変わったが、それでも戦後から続く古い焼き鳥屋や居酒屋は元気に営業をしていた。なんとなくミスマッチな感がする昭和の生き残りだった。渋谷駅前は大規模再開発が続いていて、どんどん高層ビル化しているのだが、その根本にある焼き鳥屋は健在だった。「だった」と過去形なのは、コロナのせいで街全体で生き残りを図っている真っ最中だからだ。

この店もずいぶん昔に何度かお世話になったなつかしい記憶がある。渋谷焼き鳥店集団の中では、比較的にJR渋谷駅に近いから入りやすい。渋谷の焼き鳥屋は大体どここの店も年季が入っていて、おしゃれ感はあまり感じない。ただ、店頭の煙も含めて「うまそう感」はたっぷりある。

夜遅くまでやっている、あるいは朝まで開いているというのが売り物だったはずの飲み屋が、「朝飯」を始める。これはちょっとどころではない変化だ。商売の根幹に関わる。ところが、「朝・昼定食」となると、またちょっと話が違うような気もする。ランチ始めましただけでは売り上げが足りないから、「朝・昼」定食になってしまったのだろうと思うのだが。ただ、朝飯としてブリ照り焼きはどうよという気もしないではない。朝からガツンと食べたい人もいるだろうが、せめて目玉焼き定食とかハムエッグ定食とかにならないものだろうか。大量に作り置きで対応しようということなのかもしれないが。調理の手間を引き下げるのであれば自家製ポテトサラダと卵焼きみたいな組み合わせもありそうだが。

朝からぶり照り焼きでホッピーというのも良いかなと思いつつ、この辺りで朝飯を食べるという客は、どんな職業になるのだろう。なんとなく東急のオフィスビルで働くIT系企業の人たちみたいなイメージがあるので、そうなると朝から酒を飲む赤羽系な人ではなさそうだ。この周りは渋谷でもファストフードが存在しない珍しい場所だ。朝飯といえばコンビニでおにぎりになるのだろうか。渋谷駅前という焼き鳥屋としては日本でも最強の立地の一つでありながら、苦労がたえないのだなあと感じいってしまった。

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