もともと焼き鳥屋というのはオヤジ族が軽くいっぱい飲む程度のジャパニーズファストフード的な店だったと思う。それがいつの間にかファミリーレストラン化してしまったのは、この串鳥のような安価で美味しい焼き鳥屋が郊外に進出したせいだ。キッパリと言いたい、焼き鳥をオヤジに返せと。特に、週末になれば酒など頼まず(ファミリーだからね)焼き鳥を10本単位で注文し、釜飯とかプリンとかジャンジャン頼むのはやめて欲しい。オヤジの居場所感が消滅してしまうのだ。

となれば、オヤジ族は自己防衛として「タイムシフト」するしかない。幸いなことに串鳥は開店時間が16時と飲み屋にしては早い。だから、平日に開店と同時に入ってしまえば、少なくともファミリー族と遭遇する確率は減る。そして、焼き鳥はちびちび注文するのではなく(そのほうが焼き立てなのでうまいのだが)、一気にドンと頼むことにする。在店時間を圧縮してファミリー遭遇を避けるのだ。
などという悲しい努力をしてみたら、同じことを考える親父が多すぎて、なんと16時入店でカウンター満席という驚異の世界が発生してしまった。いきなり親父でカウンター満席になると、注文したものが出てくるのが遅れる。仕方なく、酒だけ飲む羽目になり、焼き鳥が出てくる前にすでに酔っ払い始めてしまう。こんな生活で良いのだろうか、と反省してしまう。
串鳥が悪いわけではない。だから、 串鳥ファンのファミリーの皆さん。家族で焼き鳥食べにいくのは、週末のランチタイム限定でお願いします。あわれなオヤジ族にいたわりの心を。すでにオヤジ族は絶滅危惧種です。生物多様性を守るために、ぜひ保護活動にご協力ください。