初めて所沢駅に降りたのは、今から40年ほど前のことで、その頃は木造平家建だったように記憶している。札幌都心部に住んでいた若者の目から見るとあまりに田舎な駅だった。それから2年もしないうちに、その田舎駅の近くに住むことになるとは想像もしていなかった。おそらく2度と来ることがない、田舎町だと思っていた。

ところが、所沢はバブルの時期を含め人口は増え、なぜか西武グループ内で拠点都市扱いされ駅周辺は再開発が続き、ついに駅周りのビル化が完了した。新しく南改札なるものすら出現して、すっかりビッグステーションとなった。埼玉県内に限れば大宮駅に次ぐ規模ではないかと思う。

吹き抜けの空間に下がっていた #トコぶらしよう が、なんとはなしに地元ラブというか、コロナの影響で市内でおとなしくしてね、と呼びかけている気もする。確かに、所沢から都心部に向かえば、コロナの活性化地帯である新宿と池袋が終点だから、なんだか微妙な感じがする。

新規開業した駅ビルも、三密意識のこれまた絶妙というか、微妙な距離感を持った空間になっている。ただ平日昼間のせいか、うろつき回っているのは高齢者が大半で、どうも所沢市民の感染防護意識はいまひとつということか。
それでもレストランには行列ができるくらいには混雑していた。まずはめでたしというところだろうか。この先は、駅からちょと離れた元車両工場跡地も開発するらしい。人口減少している所沢市なのに、なぜか商業施設が増えるというのは、都心部から客を引き戻すという狙いなのか。ジジイババアの街になった、元ベッドタウンとしては、それもありなのかもしれない。