高速道路を使うことが多いが、SAPAで買い物をすることは稀だ。そもそも土産物を買うような移動ではないので、だいたい3−4時間の距離であれば一気に走り抜けることが多いせいだ。トイレについては、こればかりは予定が立たないというか正しく生理的問題なので、そのときに応じて手近なところで済ませる。
ただし、SAは大型で駐車場も広いためバスなどで大量に観光客が利用することが多い。トイレの混雑ぶりも激しい。急を要する場合は、なかなか切ないことになる。そのため、脳内にあるSAPAマップで一番空いていそうなPAを選ぶことが多くなる。(昔々高速道路関係の仕事をしていたので、全国のSAPA情報はいまだに頭に入っている)
そんな高速道路の使い方をしているのだが、このコロナの時期に、SAPAは一体どういう対応をしているのか興味があり、中央道のPAに立ち寄ってみた。そうしたら、なんとセルフサービスの食堂が、大変身していた。その名も「釈迦堂ラーメン食堂」というブランド化された変身だった。なんだかすごいな。暖簾一つかかるだけで、雰囲気が随分と変わるものだ。個人的には、白地に赤の文字で「らーめん食堂」と書いて欲しかったが・・・。それとキャラはやはりチャイニーズ・ドラゴンの龍が良かったと思う。

これまでのなんでもありの立ち食い蕎麦屋みたいなところから、ブランド付けしてコンセプトを絞ったところがカッコ良いところだ。ラーメンも何種類か揃えているのだが、その中で「昔懐かしな中華そば」を選んでみた。ビジュアルはまさしく昭和中期のラーメン、中華そばだと思うが、これは東京バージョンなのだろう。中華そばと言われてどのような「ラーメン像」が頭の中に出てくるかは出身地によって違うと思うのだ。
しかし、この中華そばは予想通り、期待通りの味だったので全く文句はない。逆に新型醤油ラーメンのような今風のラーメンの方が、味の完成度を含め心配になったのだが・・・。それを確かめるのはまた次回にしよう。

要するにブランド化とは、この「また次回にくることにしよう」と思わせるのが目的なのだが、「ラーメン食堂」というアイデアは、この点において実によく機能していると思う。まさしくマーケティングの勝利だ・・・。なんでもありの、そして、だから、欲しいものが何にもないと感じるSAよりも、「らーめん食堂」で一点突破型のPAの方が生き残りやすいのだよね、などとたまには真面目な考察をしてみた。
コロナの時代に公共交通機関に付帯するサービス業、つまり空港や駅の施設が直面していうる問題も同じ類の話になる。
道の駅も同じ問題抱えてるが・・・対応は遅いようだ。道の駅は地方分権で、地域の施設だから仕方がないのか。一杯のラーメンから妄想は膨らむなあ。