街を歩く

新宿の片隅で 一杯やる楽しみ

かなり前から気になっていた看板「中央線酒場」。新宿アルタの裏通りにあるビルの二階の小さな居酒屋だ。ちょっと新宿で寄り道一杯と書かれている。つまり、新宿をJR中央線で通過していくときにたまたま途中下車した人向けと言う特殊空間なのだね、と思っていたのだ。
となると来客者は近場で言えば中野、高円寺あたり、遠くは立川、八王子、高尾あたりまでの中央線沿線住人限定か。
なんてことがあるはずもない。新宿には西武新宿線で、あるいは埼京線で埼玉県人も多数出没しているのだ。小田急線では神奈川県人も登場するし。総武線を使えば千葉県人も参戦可能と言う超スーパーターミナル駅新宿だから。

小ぶりな居酒屋 開店午後3時

ただ、新宿アルタ裏は歌舞伎町に行くまでの通り道ということもあり、こうした小体な店がたくさんある。そもそも看板の下の入り口が、中央線酒場の入り口かと思ったら違うのだ。赤提灯の左側にある細い階段を二階まで登っていく。紛らわしい。

二階に上がってみれば、テーブルが10卓ばかりある。小ぶりな店だが、なんとはなしにこれぞ居酒屋だと言う感じがしっかり漂う。そうなれば注文するのは、熱燗にポテトサラダで決まりだ。ここでマグロの刺身など頼んではいけない。ポテトサラダの代わりにマカロニサラダは許す。冷えたビール、中生で一気にと言うのもいただけない。なぜかと言えば、店内の雰囲気はほとんど八代亜紀の舟歌だからだ。あぶったイカもいいのだが、昭和の酒の肴といえば自家製ポテトサラダに限る。
流石に居酒屋チェーンでよく出る白い小皿にポテサラがディッシャーでひとすくい的な味気のない盛り付けではない。おそらく大量に作ったポテトサラダが大きい密閉容器に入っていて、蓋を開けたらそこから菜箸でひとつまみ、ふたつまみと取り出しました的な不規則な盛り付けだ。おまけのように千切りキャベツと胡瓜とミニトマト。これが昭和の居酒屋的美学なのだ、と一人興奮しながら、ポテサラをつまみに銚子を一本あければ、世の中とても平和で幸せな気分になる。

これぞ飲み屋のポテサラ

新宿の片隅で誰の邪魔もしないでひっそり飲む、と言うのにはふさわしい店だった。

お調子のお変わりはせず、静かに退転するのが一人飲みのお作法というものだ。

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