旅をする

黒部ダム礼讃 その1

黒部ダムは、日本で一番有名なダムではないかと思う。そもそも一般人がダムの名前を覚えていることなど、滅多にないというものだ。
黒部ダムは長野県と富山県の県境にあるので、富山からダムまでのルートと、長野からのルートの二通りがある。ただ、車での移動はできないので、どちらから行くにしても交通機関への乗り換えが必要だ。

バスの到着駅?

長野県からのルートは大町市の扇沢から電気バスに乗り、長いトンネルを走る。ダム建設時に資材搬入に使われたトンネルで、関西電力専用。バスが電動と言うのは電気会社運営だから当然だろうが、以前は屋根にパンタグラフを乗せたトロリーバスだった。とりあえず一階の切符売り場でバスの切符を買い、二階からバス乗り場に向かうのだが、駅というよりバスターミナル。土産物や食堂がある。バスの乗客には、軽装の観光客もいれば重装備の山歩き風のグループもいる。おそらく、富山側にハイキングでおりていくのだろう。

記念撮影用のバスのヘッド部分

「黒部の太陽」は、今は亡き石原裕次郎主演の、ダム建設物語映画だが、これをリアルで見た人はほとんどいなくなってしまっただろう。だから、この言葉の意味や話をわかる人がどれくらいいるかだが(多分70代以上限定)、最近ではブラタモリで破砕帯の説明がされていたから、そちらの方が記憶にある人が多いような気がする。

この映画のことは誰も知らない?

長いトンネルを抜けて、そこから100段近い階段を上り切ると黒部ダムが見えてくる。ダムの天辺を端から端で歩くと5分以上かかる。そのダムの突き当たりが富山県側に行く交通機関の乗り場になる。つまり、長野から富山に行くには、必ずこのダムの上を歩くことになる。ダム湖を眺め、放水される滝のような水を見ると、実に巨大なものを人が作ったという感慨に浸ってしまう。昔の人が巨大なものには神様が宿ると信仰対象にしていたことに思いを寄せると、この黒部ダムにも神様がいておかしくないかと言う規模だ。「ダムの神様」、東宝怪獣映画に出てきそうだな。

放水中のダム

ムのてっぺんを天端(てんば)というそうだが、そこを富山県方向に歩き振り返ると、これまたすごい光景が見える。この山の下をトンネルが通っているが、山の中腹に見えるあたりにも構造物がある。当時は一体どれだけの工事をしていたのだろう。
山の下にある建物がレストハウス。お土産屋や軽食売店、レストランなどがある。レストランは二階にあるので、ダムを見ながらの食事が可能だ。

レストランは大混雑だった

天端から放水を見下ろすと、虹がかかっていた。そして、その遥か下に地面が見える。確かに、これが人間が作ったものなのは理解しているが、なんだか那智の滝を見たときのような厳かな気持ちになったのは、巨大さの持つ力というものだろう。

虹が見えた

〈続く〉

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