下町の洋食屋とは
お江戸の下町には老舗と呼ばれる洋食屋がたくさんあるが、「じゅらく」はその筆頭と言いたい。洋食と言うよりも大衆食堂であり、ステーキと酢豚と日本酒が同居する店だからだ。浅草の神谷バーも、バーとは言いながら大衆食堂だと思っている。テレビによく出てくる下町洋食シェフの店とはちょっと違う。おそらくデパート大食堂の源流であり、たまの休みのハレの食事としての食堂だったはずだ。

今では、外国人観光客の方が多いような気がするJR上野駅前の「じゅらく」にふらっと立ち寄った。たまたま待ち時間がなかったので入る気になったのだが、いつもは30分程度待たされることも多い人気店。カンターに一席だけ開いていたのはラッキーというもので、軽く食べるつもりがついついガツンと注文してしまった。
まずは酢豚でビールを1杯。スバ歌は本当にローカルルールが多くて、中の具材はいってみれば店任せ。ここのうちの酢豚はなぜか21隻的進化を遂げたらしく、赤・黄・緑の三色野菜は、なんとパプリカだ。人参は入っていない。あとは筍の代わりが蓮根。確かに根菜は栄養たっぷり、食物繊維多しで竹の子よりもヘルシーかもしれないが・・・。これは、イメージの中にある原型酢豚とは似て非なるものと認定するしかない。いやー、下町老舗も進化は激しいなあ。それも、違う方向のような気がする。

気を取り直して定番オムライス。そしてあえてソースはケチャップ味を注文。お皿もお洒落ですけど、このケチャップのバランスおかしくないですか?デミグラソースだとこれくらいの量はかかっていて欲しいが。ケチャップ好きですけど流石にこれは多いかと・・。中身のケチャップライスも、もう一息という感じで、
しみじみ現在進行形で下町の料理は変化していると気がつかされた。

その後目的地、国立科学博物館へ。お目当ては恐竜展。そして子供が少ない平日の午後を狙って行ったのだが、これは予想が間違っていた。世の中に、恐竜好きの大人は意外と多いのだな。そして、若いカップルがデートしていたり、なぜかおばあちゃん単独とか、びっくりする来場者像。そして、2割くらいは外国人観光客だった。さすが、上野の博物館はインターナショナル。

ようやく世間的に浸透してきた、恐竜には羽毛が生えていたという事実。要するにダチョウのような姿が恐竜なのだよということだ。恐竜はバランスを取るために長い尻尾があるので、ダチョウのように直立姿勢では走れないが、首肩尻尾まで地面に水平にして走るダチョウをイメージすれば、まさしくリアルな恐竜の姿ということだ。

そして鶏みたいな小さな恐竜が、あちこち群れていた。それが現在の恐竜像だ。あの有名なティラノサウルスレッスですら羽毛があったというし、色も鳥のように赤とか黄色とか鮮やかだったらしい。ピンクのティラノサウルスって、あまり怖そうではないが・・・。ひよこが大きくなったような恐竜は、見たくない気がする。

だから全身骨格像も、最近では直立していない前傾姿勢が標準的なりつつある。ジュラシックパークあたりから、だんだんと変化してきている。最近のNHKの恐竜解説番組は、その辺りの最新知識で補強されていたので、映像的には斬新だった。

今回は新種の展示もあったせいか、随分と混雑していたが、この辺りの真・恐竜像を理解しておかないと展示会で子供たちに笑われてしまうかもしれないので、中高年は事前に予習をしてから恐竜展にいきましょう。特に恐竜好きの子供のお父さん、要注意でありますね。