旅をする

札幌的飲み方を深く考えてみる

札幌では老舗というか別格の歴史を持つ「福鳥」。視点が何件もあったが、今や本店のみとなってしまった。生まれて初めて飲み屋に行ったのは、福鳥の今や無き支店であった。最近でこそ軟弱者のサワーなども置いているが、無地氏は冷のコップ酒と焼酎ストレート、それか札幌ビールの赤星だったような記憶がある。札幌の飲み屋でサントリーやアサヒが置いてあることは稀だった。アサヒの「生」(という瓶入り)が好みだったので、アサヒが飲める店は貴重だった。当時は、いわゆる生ビールもどこでも飲めるものではなく、ビールといえば瓶入りだった時代。

焼き鳥屋で、まず座って頼むのがお新香と冷酒、焼き鳥を注文しても出てくるまではちょいと時間がかかるので、とりあえずということだ。今の時代でいえば、枝豆とか煮込みになるのだが、当時は枝豆は季節品、煮込みは札幌では見たこともなかった。おそらく焼き鳥屋はたくさんあっても、もつ焼き屋が珍しかったせいで煮込みが一般的ではなかったのだと思う。もつ焼き屋の代わりにあったのがホルモン焼きやであり、普通の焼肉屋は少なかった。おそらく北海道は貧乏すぎて牛肉を食べる習慣ができなかったのだろう。今でもすき焼きといえば豚肉が主流の土地柄だ。

日本酒といえば、地元産千歳鶴でほぼ独占。旭川の男山が多少のしていたくらいで、いわゆる全国ブランドの月桂冠、菊正、大関などはあまり置いていなかったような記憶がある。日本酒が普通に飲まれていた時代だった。コップ酒をもっきりというが、これは東北地方から伝わった言葉だ。自分では全国的にもっきりというと、ずっと思っていたが。

さて、焼き鳥であるが、こんな感じ。昨今の焼き鳥のような肉肉しいルックスはない。玉ねぎが間に入っている変形ネギ間で、アジシオがかかっている。一人前4本が決まりなので、一人で行くとふた皿が限界。今時の一本ずつ焼いてくれる親切な焼き鳥屋ではない。徹底的に昭和ストロングスタイルだ。だから一人のみにはあまり向いていない。かインター前で仕切りもないところで焼き鳥を焼くので、煙は店内に充満し、体に染み付く。それでも夜な夜なおっちゃんたちが集まり元気に大声で仕事の愚痴を言い合っている。社内機密ダダ漏れだなと思うが、こちらも酔ってくると記憶すら怪しいので、問題はないのであろう。店の中に流れるのは、ただただ昭和な時間。焼き方の親父も店員もほとんど愛想がない。まさに骨董品的な店になってしまった。

ここ2年ほど急速に込み合うようになった「町のすし屋花まる」。時計台の隣にあり観光客が増えたせいだと思うが、特に外国人観光客が多い。その混み具合に伴って、対応がどんどん悪くなってくるのは困りものだ。予約は不可になった。多分、ノーショウが増えたせいだろう。カウンターの客にばあちゃんが増えた。女性の一人飯としては安心できるからだろう。面白いのがばあちゃんたちは昼から酒を飲む。じじいな人たちの方が酒を注文しないような気がする。ちなみにばあちゃんはセットではなく、お好みで注文していることが多い。金持ちなのである。

さて、その鮨屋で鮨を頼まず酒を飲む邪道な客が、自分であることを白状しておく。普段はタコのカルパッチョであるとか、ホヤのポン酢であるとか変化球的肴を頼む。今回はタイの兜焼きがあるというのでそれを頼んだのだが、なんとこれが予想のずっと上をいく町変化球だった。カブト素揚げなのだ。それを煮びたしのようにして提供してきた。カブトは焼いてもいない、これでは揚げだしだ。確かに熱々で、すっと時間もかからず出てきた。それは良いのだが、やはりカブト焼きとは・・・。文句をつけても仕方がないので、とりあえず箸をつけると、これが意外と上手い。正々堂々とタイの揚げ出しとか言って売れば良いのに。なんとも不思議な商品だ。

次にタコの天ぷら。札幌ではタコの唐揚げをタコザンギとして売っている。鳥の唐揚げがザンギだから、タコの唐揚げはタコザンギ。もちろん揚げたてはうまい。北海道のタコは、巨大でかつ水っぽいのであげるとちょうど良いのだろう。個人的には、スルメイカの天ぷらとタコの天ぷらを食べたい時には、すし屋に限ると思う。居酒屋ではちょっと落ちる気がする。天ぷら屋では、タコの天ぷらを注文した記憶がない。これは塩で食べるのが良いみたいだ。ということで、すし屋では刺身も頼まず、こうしたサイドメニューをドンと注文し、最後にすし2−3巻、巻物1本みたいな食べ方をする。言ってみれば一人で勝手に大将おまかせコースにしているのだが、あまり勧められた習慣ではないと反省している。回転すしでこれをやると嫌がられるだろうなとおもいつつ。いつも花まるさんにはお世話になっている。

そして、個人的には札幌イチオシの店「てっちゃん」のお通しの舟盛り。これで二人前。妻はほとんど見えない。四人前を注文すると妻がなくなる。刺身の舟盛りではなく山盛りに変わるということだ。実際にはお通しにには小鉢がふた皿つく。イカの塩辛(多分自家製)と毛ガニのむき身。では、この舟盛りは何かというと、入店時に必ずセットになっている刺身盛り合わせ(人数分が基本)という代物で、一人前が確か1500円だったような記憶がある。1800円だったかもしれない。だから、この店では追加注文をするのよほど腹の減った時にした方が良い。普通うの空腹状態であったら、席について酒だけ頼めば十分だ。例えばポテサラとか、ザンギとか頼みたくなってもじっと我慢だ。そんなものは他の店に行った時に頼もう的な精神修養が必要だ。トップに載っているウニは臭みのなく上品なものだし、自家製のしめ鯖や鯨の刺身も山の中に隠れている。
札幌一の隠れ家名店だと思うが、中のインテリアは昭和のレトロおもちゃでいっぱいで、怪しげな雰囲気もあり、ぜひ一度行ってみた欲しい。ちなみに、所在地はすすきのではない。すすきのの隣といった場所にある。予約なしではほぼ無理なので、ぷらっと行くのは難しいよ。

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