街を歩く

ボールパークという代物

JR北広島駅のバナー

日本ハムファイターズの「根拠地」が、札幌ドームから移動することが決まった。札幌市の隣町、北広島市にお引越しするという。ファイターズ自体が、札幌ではなく北海道ファイターズと名乗っているので、札幌市外に出ても問題はない。ジャイアンツが八王子に引っ越すようなものだ。ジャイアンツが川崎に引っ越すとこれはまずい。神奈川か川崎か、どちらにしても東京ジャイアンツではなくなる。Jリーグですっかり定着した「都市」フランチャイズ制は、チームのファン作りに重要な要素だ。

ボールパークとは・・・

あまり聞きなれた言葉ではない「ボールパーク」だが、身も蓋もなくぶっちゃけといういい切り方をすれば、USJ(ユニバーサルスタジオジャパン)のようなテーマパーク入り口前に、門前市のように店舗や施設を並べ立て、球場に入る前にごっそりと客からふんだくる総合集金システムというものだろう。その運営者の言い分は色々あるだろうが、入場料1万円ではなく飲食、お土産、飲んで歌って10万円使わせる仕組みだ。
浅草寺の仲見世とか、善光寺前の門前町などとなんら変わることがない。浦安にある「東京」ディズニーリゾートも、JR舞浜駅ができてから急速に大型施設化した人工門前街だ。大阪のUSJも駅から入り口まで、1円も使わずに歩くのは難しいほどだと思う。

テーマパークの元祖である米国では、入り口までの門前市を何ちゃらウォークなどと言って、標準設備化している。日本でもそれを忠実に再現しているということだ。テーマパーク、つまりエンタテイメント世界に入る前の高揚感、出た後もその余韻に浸れる満喫感。そんなことを正しく設計し商売にするという、まあ、まっとうな考え方であるだろう。野球場なら野球に特化した、そのチームのファンとして世界観が完結していてほしい。その辺りがニーズであり、ビジネスの肝ということになる。

Jリーグの展開により、地方にスポーツチームが広がり、「おらが町にもチームあり」ということになった。プロスポーツを経営的に支えるには、興行を成立させる基盤として最低100万人くらいの人口が必要だろう。プロ野球でいえば、仙台辺りが最低の人口であり、仙台イーグルスや宮城イーグルスではなく東北イーグルスになったのも、ファン層を支える人口が宮城県では足りない(260万人)ので、東北全域に広げた(550万人)というのが本音だろう。ファイターズも札幌(200万人)では足りず、北海道全体(550万人)に広げた例に倣ったものだと思われる。それに比べJリーグはフランチャイズ都市の人口50万人程度でもチーム設営がなっている。当然、観客動員数も少なく興行的には成り立ちにくい。だから企業スポンサーを強く求めることになる。日本の大手企業がJリーグを支えているのは間違いないことだ。

プレイヤーではない頑張る人たちがチームを作る

しかし、長崎や秋田のような地方都市では、それを支える大企業が足りずチームの運営に苦労することになる。だからチームの経営者は、様々な知恵を使いファンづくりや応援団を形成する必要があるのだが、そこがうまくいかないことも多い。長崎ではあの有名なジャパネット創業者がチームの経営を担い、面白い試みをしている。駅から球場までの沿道を、ゲーム開催日にはボールパーク化、縁日化しているのだ。地域振興という小難しい理屈ではなくエンタメで縁日という方向が、ブルスボーツを支えるのではないか。

同じエンタメビジネスでも、音楽の世界はライブに比重が移っている。例えば、ネット社会の進展により、音楽という娯楽がCDを買って聞くものではなく、オンラインで聴くものになると、音楽ビジネスはどうなるかという議論が10年ほど前にあった。結局、こまったのはCDの製造メーカーだけであり、音楽というエンタテイメントビジネスは、リアルな体験、ライブ感に金を払うという客層、風潮を生み出し生き続けた。やはりライブ感が優先のエンタテイメントがつよいということなのだろう。映像ビジネスも、映画本編で稼ぐ仕組みから、ネット配信も含めた映像使用権の売買に主軸が移った、(だから中国の映像コンテンツ・違法コピーが重要な米中貿易課題になる) スポーツも同じで、プロ野球のテレビ中継はほとんどなくなってしまったが、地方都市でフランチャイズ化し熱狂的ファン層を作り出したチームは、ライブ(試合)とその周辺ビジネスで経営を行なっている。

スポーツの世界でも同じようにライブ化、臨場感だけが売り物になるのではなく、ゲームのビフォー、アフター時間が一体となったビジネスモデルになる。野球場のボールパーク化はこの先も進むだろう。先行していたのは、後楽園であるが、残念ながらコンテンツとして古い。仙台の楽天がドーム化したり、福岡ドームがさらに拡張したりという動きはあるのだろうが、日本ハムファイターズのボールパークは最新モデルとしてエンタメビジネスの先頭を切っていくことになるか楽しみではある。

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